【実際に働いてみた!】元公務員技術職(建築)が語る仕事内容・試験対策・向いている人

実際に働いてみた

公務員建築職を志望するとき、周りは民間企業ばかりで、リアルな声をなかなか聞けない…!という方はいらっしゃいますか?

実は私もそうでした。
技術職、さらに建築職の公務員受験情報を入手するのが大変でした。。

今回は元公務員建築職が語る国家公務員・地方公務員の仕事内容と試験内容で試験や就職に対するさまざまな不安を解消できます。実際の試験対策や仕事のやりがいもご紹介します!

これから公務員受験を考えている方に、少しでも参考になればと思い、記事を作成しました。
ぜひ最後までご覧ください。

仕事内容

国家公務員

国家公務員は勤務先の種類を2つに分けることができます。

  • 本省  
  • 地方整備局 

この2つで仕事内容が変わります。

本省…建築の法整備や支援政策づくり
(例えば国土交通省が所轄する建築基準法などの法整備や住宅の省エネ化、空き家活用、コンパクトシティの実現に向けた支援・政策づくり)

地方整備局…各地方の地域でのまちづくり
(全8地方に分かれ、各地方の河川・ダム・水門の工事や維持管理、公園の運営や防火公園整備、道路・歩道・自転車道の整備、官庁施設や公共住宅などのまちづくりの根幹を担う)

となります。

建築職に関して、個々の建築や各地方の都市計画など、ミクロな仕事内容ではなく、それぞれの建築計画の際に、参考にすべき指針や計画を考えるマクロ的な仕事の方が惹かれる方は、国家公務員の各省庁での活動を一度調べてみるとよいでしょう。

地方公務員

地方公務員の仕事内容は、大まかに下記の5つに分かれます。

  • 営繕管理
  • 住宅政策
  • 建築指導
  • 防災まちづくり
  • 都市計画

それぞれでみていきましょう。

営繕管理…公共施設の建築物の建築や改修などの計画・維持管理を行う

住宅政策…公営住宅の整備や管理、空き家対策など、地域の住環境の改善を図る

建築指導…建築基準法に基づいて建築物の審査・検査、相談対応や違反等の法的判断をする

防災まちづくり…災害時の住宅の被害状況の評価や補助金制度等の住宅支援を計画・運営する

都市計画…地域の発展を考慮したまちづくり計画を行う

となります。

公務員試験

国家公務員と地方公務員では試験の内容も少し変わってきます。

国家公務員と地方公務員を両方受けるのか、もしくは国家公務員や地方公務員だけを受けるのか、方向性を決めてから試験対策を始めるといいでしょう。

国家公務員試験

国家公務員で建築(工学)を募集することが多い省庁は下記のとおりです。

【国家公務員総合職で建築職を募集している省庁】

  • 防衛省
  • 法務省
  • 外務省
  • 厚生労働省
  • 文部科学省
  • 財務省
  • 国土交通省

募集の有無や募集人数は毎年変わりますので、必ず確認が必要です。
2024年度の公務員試験の流れは下記のとおりでした。

【国家公務員試験(総合職)】

一次試験(基礎能力試験+専門試験)※共に多肢選択式
  ↓
二次試験(専門記述+政策課題討議+人物試験)
  ↓
官庁訪問

【国家公務員試験(一般職)】

一次試験(基礎能力試験+専門試験)※共に多肢選択式
    (一般論文試験+専門試験)※共に記述式
  ↓
二次試験(人物試験)
  ↓
官庁訪問

地方公務員試験

関東地域の主要な自治体の、2024年度公務員試験情報をまとめています。

一次試験二次試験募集人数
東京都(1類A)教養試験
専門試験
論文試験
口述試験7名
千葉県専門試験
論文試験
口述試験
適性検査
17名
埼玉県専門試験論文試験
人物試験
5名
神奈川県専門試験論文試験
グループワーク
個別面接
7人
一次試験二次試験募集人数
特別区専門試験口述試験116名
横浜市専門試験面接試験10名
川崎市総合筆記試験
面接試験
個別面接試験若干名
川崎市(SPI方式)基礎能力検査
性格検査
専門試験
個別面接試験
5名
さいたま市専門試験
集団面接
個別面接
適性検査
7名
千葉市専門試験面接試験5名

地方公務員試験は、試験のハードルを下げる名目で、多くの自治体で教養試験の廃止が広まっています。
しかしその結果、自治体ごとに試験内容が大きく異なってしまっていますので、しっかり志望する自治体を決めて、試験内容を確認してから対策をしましょう。

実際に働いてみた!

ここからは私の実体験をもとに公務員試験対策や実際に働いてみて感じたことをまとめてみました。

実際に受験した時には地方公務員でしたので、地方公務員に限ったお話になります。ご了承ください。

公務員試験対策でしたこと

私が受験した頃は、一次試験(教養試験+専門試験+論文試験)と二次試験(面接)がほとんどの地方自治体にありました。
順番に私がした試験対策をお話しします。

教養試験数的処理と文章理解を重点的に、ほぼ満点を目指す気持ちで対策し、他の科目は隙間時間に出来れば…くらいでした。

専門試験は勉強の仕方が分からず、一級建築士の試験対策をしていました。 
受けてみて思ったことは、択一とは限らず、説明せよ。の問題もありました。
より一つ一つの用語をしっかり理解しておくことが大事かと思います。

面接試験では、私の志望するきっかけから今この場に立ってるところまでをストーリー化し、それを分割して話す練習をしました。

試験対策期間はだいたい1年弱でした。

かなり余裕を持って始めましたが、実際にやってみて、もし短期集中型でやるとしたら、半年くらい~3ヶ月程度でも十分だと思いました。
1年弱かけた私としては、こんなにやらなくてもよかったかな、というのが感想です。

技術職の公務員試験は、決して難易度は高くありません。
そもそも新卒の場合は、卒業研究課題や民間企業への併願をする方もいると思いますし、転職の場合は働きながら転職準備をする方もいらっしゃいます。

時間がたっぷりあって、対策に十分時間をかけられる場合には、問題ないと思いますが、そうではない場合には、決して満点は狙わずに重要なポイントを見極めて試験対策をしましょう。

公務員で感じたやりがい

公務員でのやりがいは、自分もそうでしたが、周りの先輩方を見ていて、一番には建築をもっと深く知ることができることです。

【公務員建築職のメリット】

  • 幅広い職種の人と交流ができる
  • 民間企業にはないさまざまな仕事内容(3~5年に1度の異動は転職のように人も仕事内容も変わる)
  • 深い建築の理解が得られる(建築士からの相談も対応するため)

この3つのメリットに共通して言えることは、建築分野を中心に幅広く深く知識や経験を付けられることです。

深く理解する
深い「なるほど!」が出てくる

そこからさらに
もっと知れた!
もっと詳しくなれたことの嬉しさ

それが仕事での失敗や嫌なことを消してくれる、楽しさでした。

周りを見た時にイキイキしている先輩方も、きっとその楽しさが自分の誇りになってるんだろうなと感じていました。

公務員に向いている人

正直な話、公務員はめんどくさい仕事も多々あります。

それは利益重視の民間では、意味がない、利益がないからやめてしまおう!が出来ても、公務員ではその視点がないため、どんなに大変でもめんどくさくても需要がなくても、一から十まで必ずやり遂げることがほとんどです。

それには粘り強さが必要です。

ですが、それは特別な能力ではなく、頑張れば誰もが出来ることです。
目指すのであれば、ぜひ心に留めて、頑張ってみてください。

さいごに

いかがだったでしょうか。
公務員受験を目指す方へ有益な情報をお届けできたら、とてもうれしいです。

公務員は民間企業の就職と違い、面接だけでなく筆記試験もあるため、受験するにあたってはかなりハードルが高く感じると思います。

実際には、現在公務員受験は人手不足解消のために、試験が簡略化されつつあり、そもそも技術職の試験の合格ラインのボーダーも、事務職に比べ低く、気軽に受験してよいと思います。

福利厚生も充実していますし、将来結婚や出産を考えている方でしたら、視野に入れてみることをおすすめします。
気を付けるポイントとしては、地方自治体や配属先によっても雰囲気が変わってきますので、機会があれば、インターンや説明会など積極的に参加して、職場の雰囲気を掴んでくるとよいでしょう。

最後までご覧いただきありがとうございました。

建築設計事務所の構造設計・市役所(建築職)の勤務を経て、建築好きな主婦の一人として、【実際に住んでみた!】【実際に働いてみた!】など、住宅のリアルで役立つ情報を発信。

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