【実際に住んでみた!】構造種別(RC造・S造・木造)の特徴一覧と元建築職のおすすめ!

実際に住んでみた

賃貸や購入で家を選ぶ際、鉄筋コンクリート造や鉄骨造、木造など、家の構造の種類があるけど、結局どんな家が住みやすいのか、悩んだことはありませんか?

実際どんな構造であっても、大きな違いなく暮らすことが出来ますが、実は長年の生活の困り事は、家の構造が原因のこともあります。

私は建築設計職の経験もありますが、それぞれの家にも実際に住んだことがあります。

今回はその経験を基に、それぞれの家の構造の種類と、それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。

RC造は鉄筋コンクリート造、S造は鉄骨造です。
まずは構造種別ごとの大きな特徴をまとめた一覧です。

RC造S造木造
法的耐用年数47年軽量 19~27年
重量 34年
22年
メリット耐火性がある
遮音性がある
デザイン性がある
工期が短い
コストが低い
(↑RCと比べて)
耐震性がある
(↑木造と比べて)
調湿性がある
断熱性がある
解体しやすい
デメリット結露・カビ
コストが高い
地盤が大事
火災に弱い
結露しやすい
遮音性が低い
害虫・腐食
施工期間8か月以上2ヶ月以上2ヶ月以上

またRC造と木造には、さらに2種類の構成方法があります。

【RC造・木造の構成方法】

  • 建築物を面(床・ 壁)で構成する方法
  • 線(柱・梁)で構成する方法

ちなみに鉄骨造では線で構成する考え方です。
今回は複雑になってしまうため、細かい構成まで考慮せず、構造種別の大枠で、それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。

鉄筋コンクリート造(RC造)

鉄筋コンクリート造は、網状にした鉄筋とコンクリートで成形した構造になります。
先程ご説明した通り、鉄筋コンクリート造ではラーメン構造とWRC構造の2種類あります。

  • ラーメン構造(柱・梁で構成)
  • WRC構造(壁・床で構成)
WRC構造
ラーメン構造

鉄骨造(S造)

鉄骨造はH形鋼などの鉄骨をラーメン構造上に組み立てて造る構造になります。
鉄骨造も鉄骨材の厚みによって、重量鉄骨造と軽量鉄骨造の2種類があります。

  • 重量鉄骨造(厚みが6㎜以上)
  • 軽量鉄骨造(厚みが6㎜未満)

木造は日本の古来からある構造

木造は戸建てで最も使われる構造であり、従来から日本に存在する構造です。
その木造にも在来工法と軸組工法の2種類あります。

  • 在来工法(柱・梁で構成)
  • 軸組工法(壁・床で構成)

それぞれの構造のメリット・デメリット

これまでRC造・S造・木造の特徴をご紹介しました。
次は私たちの生活においてどのように影響してくるのか、下記の表にまとめてみました。

鉄筋コンクリート造(RC造)のメリット・デメリット

鉄筋コンクリート造はコンクリートという半液体状のものを型枠に流して固めるところが大きな特徴です。

その特徴に付随する大きく3つのメリットとデメリットがあります。

一つ目、デザイン性が優れている。

  半液体状で流し込んで形にするため、自由な建物の形にすることが可能です。

二つ目、遮音性・気密性に優れている。

  同じ理由で、隙間が発生しにくく、また密度も高いため、遮音性と気密性に優れています。
  その反面で、気密性が高いために、調湿性がなく結露やカビが発生しやすい欠点もあります。

三つ目、コストがかかりやすい。

  他の構造体より、施工期間が長く建築コストもかかります。
  また半液体状で密度も高いため建物重量があるため、
  それらを支えるために支持地盤まで杭を打ったり、地盤改良をする必要が高確率で出てきます。

鉄骨造(S造)のメリット・デメリット

鉄骨造は鉄骨材を使って柱や梁をこうせいしています。
先程の鉄筋コンクリート造と比べて、構造や施工を簡易的にし、耐震性もある程度維持した構造です。
鉄骨造にも以下の3つのメリットとデメリットがあります。

一つ目、鉄筋コンクリート造に比べて、工期が短かい。

二つ目、鉄筋コンクリート造に比べて、建築コストが低く、品質に均質性がある。

  鉄筋コンクリート造に比べて、工期が短く建築コストが低くなります。
  また材料も工場で生産され、現場で繋ぎ合わせるため、 
  材料による性能のばらつきもありません。

三つ目、耐震性がある。

四つ目、火災に弱い欠点がある。

  少し想像しにくいかもしれませんが、鉄骨材は鉄のため、熱に弱く変形しやすくなります。

木造のメリット・デメリット

鉄筋コンクリート造や鉄骨造とは、違った特徴を持つ構造が木造です。

耐震性が低く燃えやすいのでは…と、災害での不安が持たれやすいですが、木造にも鉄筋コンクリート造や鉄骨造にないメリットも多いです。

一つ目、断熱性・調湿性に優れる。

  木造の一番のメリットで、自然由来の材料だからこその温かみを感じれる特徴があります。

二つ目、建築コストが低い。

  先程の鉄骨造よりも建築コストを抑えることが出来ます。 
  材料の面でもそうですが、建築重量が一番小さいため、
  基礎工事の工期も短く、地盤改良費も抑えることができます。

三つ目、耐震性が…ある!

  鉄筋コンクリート造や鉄骨造に比べて、材料強度が低いことは確かです。 
  ですが、ガッチリ固め構造の鉄筋コンクリート造・鉄骨造とは違い、 
  木造はしなやかに地震に耐える構造であり、
  どちらも地震に対して有効な考え方で、優劣はつけられません。

元建築職が考える結論

最初に結論を申し上げますと、わたし個人的には、どんな構造でも、欠点もあるけど必ず良さもあり、住みやすいです。

ですのでこれ以降は、あえて選ぶとしたら…の場合です。

賃貸の場合

賃貸では、集合住宅の場合が多いのではないかと思います。
戸建ての賃貸もありますが、物件数も少なくなかなか選びにくいからです。

集合住宅の場合は、騒音問題が頭をよぎります。
そのため防音性に優れるRC造、もしくはS造。

また普段の光熱費を考えても、部屋の方角(南向きや西向き)によっては、部屋が暑くなりやすいことを考えて、気密性の高いRC造か気密性の低いS造かで悩む形です。

これはエアコンを付けっぱなしにするか、しないかで変わるのかなと思います。

購入する場合

マイホームの場合は戸建てかマンションになるかと思いますが、マンションの場合は賃貸の時と同じです。
戸建ての場合は、現在木造と少数ですがS造が主流です。
地下室がある場合や3階建ての場合など、RC造の場合も数少ないですがあります。

一つ目は、S造です。
耐震性かつ害虫・腐食の心配を考慮して候補に挙がります。
気密性や耐火性、施工期間など、木造造と比べるとそこまで大きな差はないため、あとは建築費用をとの相談になります。

二つ目は、木造です
木造には木造ならではの木の温もりわ調湿性がある点は、どの部材にもない魅力です。

これまで優劣のあるような書き方もしてきましたが、どの構造種別であっても正解はなく、あるのは個性です。
その個性に合う合わないはあると思いますが、ぜひ家を探す・建てる際には、一度すべてのメリットやデメリットをテーブルに載せて、自分や家族のライフスタイルに合うものを選んでみてください。

今回の記事は以上です。

最後に

いかがでしたか?
自分にピッタリあった家探しは、家のことを四六時中考えてしまう私でさえ、永遠の問題です。

好きな空間つくりは、とてもワクワクしますが、生涯住み続けられる家を!となる、真剣に考えなければならないことも多く、内心投げ出したくなることもあると思います。

今回の内容は、どちらかというと、お勉強的な内容が多かったと思います。
なんだかよくわからない。。。というままにせず、これは知っておいた方がよさそうだ!と、調べたりするきっかけにして、ぜひ自分のお家の追求をし続けてみてください。

最後までご覧いただきありがとうございました。

建築設計事務所の構造設計・市役所(建築職)の勤務を経て、建築好きな主婦の一人として、【実際に住んでみた!】【実際に働いてみた!】など、住宅のリアルで役立つ情報を発信。

hukaboriwankoをフォローする
実際に住んでみた
シェアする

コメント

Verified by MonsterInsights
タイトルとURLをコピーしました